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Shuhei Nakaso

kintoneに生成AIを活かす【第1回】何ができる?編 — 現場の“あの手間”がこう変わる

kintone・AI活用 2026.08.24

本記事は、中小企業の経営者・ご担当者に向けた全3回シリーズの第1回です。「むずかしい話ぬきで、まず何が楽になるのか」をご紹介します。

  • 第1回(本記事):何ができる?編
  • 第2回:なぜ専門家に任せると安心か(安全性)編 — 近日公開
  • 第3回:始め方・費用感・進め方編 — 近日公開

この回でわかること

この記事を読むと、こんなイメージがつかめます。

  • 毎日の問い合わせ対応・議事録づくり・報告書の下書き・メール文面・仕分けの5つが、今の手間の何分の一かになる
  • しかも、すでにお使いのkintoneに溜まった情報を、そのまま材料にできる
  • まずはお金をかけずに小さく試すところから始められる

難しい用語は出てきません。「うちのあの業務にも効きそう」と感じていただけたら十分です。

読み方の分岐:生成AIの基礎や、他ツールを使った実例は、当社の過去記事にまとめています。

ほかの記事もまとめてご覧になりたい方は、kintone×生成AI活用ガイドからどうぞ。基礎から知りたい方は過去記事を、今すぐ「何が楽になるか」を知りたい方はこのままどうぞ。本シリーズは、すでにkintoneをお使いの会社が日々の実務でどう楽になるかだけに絞ってお話しします。

※Claude(クロード)=文章の要約や作文が得意な生成AIの一つ。ChatGPTの仲間、とイメージしてください。

シーン1:長い問い合わせスレッドを、要点だけに

うれしいこと:何十通も続いたやり取りを、開いて読み直さなくても、要点がすぐ分かる。

  • これまで:過去のメールや問い合わせ履歴を上から順にたどり、「結局どうなった案件だっけ?」を毎回思い出す。担当者が休むと、状況が引き継げない。
  • これから:そのお客様のレコード(=kintoneの1件分のデータ。1枚のカード、と思ってください)を開くと、「これまでの経緯・お客様の要望・今の状況」が数行に要約されて表示される。初対応の担当者でも、5秒で全体像がつかめる。

長い文章を、事実を落とさず・盛らずに短くまとめるのは、生成AIが最も得意とすることの一つです。

この仕組みを実際に作る手順(動くコード)は、続編の「実践ハンズオン編」で解説します。ハンズオン編は近日公開です。

シーン2:商談メモを、そのまま“決定事項とToDo”に

うれしいこと:打ち合わせ後の「議事録づくり」と「やることの洗い出し」が、ほぼ自動になる。

  • これまで:走り書きのメモを、帰社後にきれいな議事録に清書。決まったこと・宿題を拾い出し、担当と期限を割り振る。地味に時間がかかり、後回しにしがち。
  • これから:商談メモを貼り付けるだけで、「決定事項」「次にやること(担当・期限つき)」に自動で仕分け。あとは人が中身をさっと確認して確定するだけ。

「この情報だけ抜き出して、この形に整えて」という指示に、AIは素直に従います。だから“箇条書きに整える”作業と相性が良いのです。

シーン3:報告書・提案書の“たたき台”を数十秒で

うれしいこと:ゼロから書き始める重さがなくなる。白紙のストレスから解放される。

  • これまで:週報・案件報告・提案書を、毎回まっさらな状態から書き起こす。書き出しの一文で手が止まる。
  • これから:kintoneに溜まった案件データをもとに、下書き(たたき台)が先にできあがっている。人はそれを直し、判断を加えるところに集中できる。

大事なのは、AIが出すのはあくまで「たたき台」だということ。完成品ではありません。最後の仕上げと判断は人が行います。

シーン4:見積・お礼・催促メールの文面づくり

うれしいこと:「なんて書けばいいか」で止まらない。トーンで悩む時間が消える。

  • これまで:催促は角が立たないように、お礼は失礼にならないように…と言い回しに毎回悩む。若手ほど時間がかかる。
  • これから:相手や状況を伝えれば、敬語やトーンを踏まえた文面のたたき台がすぐ出る。人は事実(金額・日付・条件)を確認して送るだけ。

ただし、金額・日付・固有名詞といった数字や名前は、AIが間違えることがあります。ここは必ず人が最終確認してください(この点は後ほど詳しく触れます)。

シーン5:一覧を、自動で仕分け

うれしいこと:「これはどの分類?」の人手による振り分けが要らなくなる。

  • これまで:問い合わせやアンケートを、担当者が一件ずつ読んで「クレーム/要望/質問」などに手で分類。件数が増えると追いつかない。
  • これから:内容を読んだAIが自動でカテゴリを判定し、kintoneの項目に振り分ける。人は迷うものだけ見ればよい。

分類がそろうと、「今月は要望が増えた」といった集計・分析にもつながります。

この5つを、実際に動かすには

ここまでお読みになって、「イメージは分かった。で、うちで動かすには何が要るの?」と思われたかもしれません。答えを先に言うと、この5つはどれも、kintoneの画面の中で完結する形にできます。別のツールを開いて貼り付けて戻す、という手間は要りません。

必要なものは、大きく3つだけです。

  • 溜める場所:要約したい情報が、kintoneのどの項目に入っているか。ここが決まっていれば準備の半分は終わりです。
  • AIに渡す指示:「この項目の内容を、経緯・要望・現状の3つに分けて3行でまとめて」といった、日本語の指示文。ここが仕上がりの質を決めます。
  • 結果を書き戻す先:要約や分類の結果を、kintoneのどの項目に入れるか。人が上書きできる形にしておくのがコツです。

この3つをつなぐ具体的な手順と、実際に動くコードは、続編の「実践ハンズオン編」で順に解説していきます。本記事の5つの場面のうち、シーン1の要約とシーン5の自動分類は、ハンズオン編で最初に扱う予定です。ハンズオン編は近日公開です。

なお、ここは専門家に任せてしまってよいところでもあります。経営者やご担当者が判断すべきなのは「どの業務から始めるか」であって、つなぎ方そのものではありません。

効かせるコツは1つだけ:“業務をデータで残す”

ここまでの5つの場面には、共通の下ごしらえがあります。それは、日々の業務を、後から使える形(データ)で残しておくことです。

理由はかんたんです。AIは、バラバラのメール本文・手書きメモ・あちこちのExcelよりも、項目ごとに整理された情報のほうが、ずっと正確に扱えます。「顧客名・金額・状況・日付」がきちんと分かれて溜まっていれば、AIはそこから要約したり、抜き出したり、分類したりしやすいのです。

そして、この「整理して溜める器」として、kintoneはとても強い。すでにkintoneをお使いなら、AIに効かせるための材料は、もう手元に溜まっているということです。ここが、一歩先に始められる理由です。

まず“標準のAI”から、小さく始められます

「いきなり大きな仕組みが必要では?」とご心配なく。kintoneには、追加の開発なしで使える標準のAI機能(kintone AI)が用意されています。検索AI・アプリ作成AI・プロセス管理設定AI・スレッド要約AI・レコード一覧分析AI・アプリ設定レビューAIがあり、まずはここで「自社の業務に効きそうか」を体感できます。

費用の面も、始めやすくなっています。スタンダードコースまたはワイドコースをご契約中であれば、追加料金なしで毎月一定の「AIクレジット」が付与されるとサイボウズが案内しています(付与量はコースによって異なります)。あわせて、お客様のデータがAIの学習に使われることはないことも明記されています。

出所:サイボウズ公式「kintone AI」紹介ページ、および同社ニュースリリース「サイボウズ、『kintone AI』を正式提供」(2026年4月22日発表・2026年6月14日提供開始)。いずれも2026年8月24日時点の記載です。料金や機能は変わることがありますので、ご検討の際は公式ページで最新の内容をご確認ください。

効果が見えてから本格連携へ——という順番で大丈夫です。ここでいう本格連携とは、kintoneの中でAIが自動で動くようにする仕組みのこと(詳しくは第3回でご案内します)。まずは標準AIで手ごたえを確かめ、必要になったら本格連携、という二段構えです。

大事な前提:AIは“副操縦士”です

生成AIはとても便利ですが、万能ではありません。もっともらしい文章の中に、事実と違う内容がまぎれることがあります。特に金額・日付・数量・会社名や人名といった、数字や固有名詞は要注意です。

ですから、使い方の原則はこうです。

AIは副操縦士。操縦桿を握り、最終判断をするのは人。

AIにたたき台や下ごしらえを任せ、確認と決定は人が行う。この役割分担を守れば、リスクを抑えつつ、日々の手間だけをしっかり減らせます。

まとめ

  • kintoneに溜まったデータに生成AI(Claude)を効かせると、問い合わせ要約・商談メモの整理・報告書のたたき台・メール文面・一覧の自動分類まで、現場の“あの手間”が軽くなる。
  • 効かせるコツは1つだけ。業務をデータとして整理して溜めること。その器としてkintoneは強い。
  • まずは標準AI(kintone AI)で小さく試すところから始められる。
  • 忘れてはいけないのは、AIは副操縦士。数字や固有名詞は人が必ず最終確認する。

「うちのあの業務にも使えそう」と感じられたら、それが第一歩です。次回・第2回では、安心して任せるために知っておきたい“安全性”の話を、むずかしい言葉ぬきでお伝えします。近日公開です。

ご相談ください(広島・東広島の株式会社ixis)

株式会社ixisは、kintoneの構築とAI導入の両方を手がけています。“データの器づくり”から、御社の業務に合わせて一緒に設計できます。

  • まずはご相談からお問い合わせフォームから、「自社のどの業務から始めるとよいか」をお気軽にご相談ください。
  • 補助金を活用した AI・DX活用研修(東広島市の事業者さまへ)研修の詳細はこちら。東広島市内で対面・演習中心に行う研修で、現場のみなさまが要約・議事録・報告書・メール作成をAIで回せるようになることを目指します。基礎に加えて、業務に合う応用コースを選んで組み合わせる形です。東広島市の補助金を使ってご受講いただける場合があり、申請書類づくりもお手伝いします。補助の対象になるかどうかは事業所の状況によって変わりますので、個別にご案内します。

お問い合わせ
株式会社ixis
〒739-0016 広島県東広島市西条岡町2-13 2F
TEL:082-430-7208
メール: ixis_developer@ixis.ai
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※技術者の方へ:kintoneアプリの中に生成AIを組み込む具体的な手順(動くコード)は、技術者向けの別記事として準備しています。近日公開です。

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