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杉原 里志

数字は、人生とも言える。

組織マネジメント 2022.07.30

 

「数字に追いまわされる仕事なんて、わびしい。」

「数字を追うなんて、ツライ。」

そうこぼす人、

経営者でも社員でもわりといます。

 

「数字はしょせん無機質なもの」

「そんなものにとらわれる人生は、貧しいよ」

という方向に気持ちをもっていく。

そんな人。

 

「人生にはもっと大事な価値がある。」
「社会への感受性や、人間性が大事なんだ」
みたいなことをぼやっと思いつつ

 

ウクライナの戦争に苦しむ子どもたちへの

哀れみを周囲につぶやいたりしながら、
“ピュアなヒューマニスト像”を

おしだしがちの人もいます。

 

 

ところが、じゃあ、
ウクライナのために寄付をするか、

というと、しない。

 

悲劇を生んだ政局や民族の情勢を

勉強するかというと、

これまた、しない。

 

では、その

“ピュアなヒューマニスト像”は

どこからくるのでしょうか。

もしかして、ふり?

ということかもしれません。

 

ネット上でも

人生は数字じゃない。

国家や愛国心が大事だ!

と。

 

まともな右翼でも

保守でもないのに、

数字人生から逃げているのかもしれない。

 

偽善というと大ゲサだから、

ごまかし、といいますか。

 

数字を実現できない

自分の不安を隠蔽するために、

いわばヒューマニストの仮面をかぶって、
「オレは数字にとらわれる薄い人間じゃない!」

という、ふり、をする。

 

そんなごまかしで、

仮面を被っているから、
ますます数字に追いかけまわされる。

 

しかも、人生を通してずっと、

と思ってしまう。

 

所詮、ふり、ですからね。

 

忘れようったって忘れられないし、
ふりをしていても早晩、

上司から仮面をむしりとられる。

 

「おい、数字どうなってんの?」

と不機嫌な声で、
現実を突きつけられます。

 

なんとかしないと、

会社での居場所がなくなります。

 

数字から逃げれば逃げるほど、

追いかけられる、

というか、追いつめられる。

どんな仕事でも、数字がついてまわります。

 

というか、

ついてまわらなければ、

仕事じゃない。

 

こっちが正しい。

ヒューマニストな

作家だって、アーティストだって
ちゃんとプロとしてメシを食っている人は、

数字をしっかり見つめているものです。

 

原稿料は?

講演料は?

印税は?

売れ行きは?

 

きっと、数字マネジメントだらけでしょう。

 

サラリーマンで、

営業じゃない人もおなじです。

 

人事だって工場の社員だって、
みんな数字。

 

いつまでに何人の母集団形成をして

何人採用するか。

 

製造計画も数字だらけ。

サラリーマンじゃない大工でも
看護師さんもみんなそうです。

時間や行程や工費という数字を念頭に、

できる人ほど働いている。

まあ、当たり前の話なんですけど。

 

 

まともに働き、

まともに生きるということは、

まともに数字を考えること。

 

家庭生活なんて、

家計が土台ですからね。

 

まともに数字を考える人ほど、

幸福度が上がる、ともいえます。

 

じゃあブラック企業は?

 

となりますが、

数字に追われてつらいのは、

数字のせいではないのですよ。

勤務時間や販売ノルマという、

数字の規範や設定が異常値だ、

ってことなだけです。

 

社長や上司の考え方が異常だ、

ってことで、なにも

数字が悪いわけじゃありません。

 

だからブラックは罪なんです。

 

数字を追う人生そのものが悪い、
数字は過酷だ。

 

という印象を社会に

与えてしまうなんて。

 

これは大罪。

 

若い人の人生観をゆがめ、

数字という大事な価値基準を、

貶めてしまうのだから。

 

無機質な数字の対岸には、

豊かなカルチャーや人間愛がある。

 

だから、数字だらけのツライ

岸辺から遠ざかりたければ、
カルチャーの喜びや人間愛で

あふれる川むこうの岸辺へ!

という逃避ルートは間違っているわけです。

 

数字をしっかり考えないからこそ、

数字に支配され動かされている。

 

そこに気づかなければ、

数字の支配は強化され、
ますますがんじがらめになり、

その人を追いつめる。

 

つまり、

 

数字をマネジメントして生きることと、
文化的に人間らしく生きること、

自信をもってまっすぐ人間を見つめて生きることは、

切り離し不可能な地続きであり、

コインの裏表じゃないだろうか。

 

川向こうには、

数字のないユートピアがある、

なんて幻です。

 

営業数字をセルフマネジメントできる人は、
50万円で数を売る仕事は疲弊するから、と
100万円で単価アップして

もっとゆとりを持つために、
販売の仕組みづくりや商品の

付加価値化に創造的に取り組む。

 

すると売り上げ達成率も、

年収も上がる。

 

人物評価点もあがり、
創造力を買われて、昇進する。

チャンスとやりがいが広がる。

 

仕事時間をセルフマネジメントできる人は、
目標を人の70%のパワーで

達成できるよう仕事のフローを創造的に改善して、
ゆとりの時間という数字を自ら生み出して、
家庭生活、趣味の時間という数字を楽しむ。

 

数字をしっかり考えて

自分なりに追う人ほど、
数字に支配されず、

人生の主人公になっているものです。

 

数字より大事なものがある、

人間らしく幸せになりたいと数字から逃げがちな
ユートピアくんほど、

数字の苦しみを増幅させている。

 

ときに人や社会にゆがんだ恨みを抱いたりする。

 

ブラックや途方もない金銭欲という

数字の異常値がはびこる世の中だから、
不条理に数字が悪者にされている。

 

そんな傾向があるように思う。

数字と言葉が、人間の智を拓き、

文化や文明をつくってきたのです。

数字も言葉とおなじだけ、

よりよき人生には欠かせないのですよ。

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