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杉原 里志

なぜ、コトバが大切なのか。

ミッション 2021.04.09

とてもラッキーなことに

あなたには大好きな彼か彼女がいるとします。

 

 

あなたは相手のどこが好きなのか

明確に語ることができるでしょうか。

 

 

「優しいところ」

「子供好き」

 

 

いろいろな要素を並べることによって

相手の良さを語ることはできるでしょう。

 

 

ではあなたは優しくて

子供が好きな人ならば

誰とでも付き合うのでしょうか。

 

 

おそらく、

そうではないはずです。

 

 

あなたが大好きな相手は確かに優しく

料理がうまく、子供好きなのかもしれませんが

それはその人の断片的な情報に過ぎません。

 

 

あなたがつきあいたいのは

そういう条件を兼ね備えた人ではなく

「私が好きになった人」

であるはずです。

 

 

大好きな人が仮に

料理が下手くそだとしても

あなたはもっと他に

相手のいいところをみつけるでしょう。

 

 

こういうい条件だから好きだと

いうことではなく

好きになった人は

こういう良いところがある。

というのが正しい表現なのです。

 

 

好きになってしまえば

良いところはたくさん見つかります。

 

 

ただし、あなたは相手が誰でも

好きになるというわけではありません。

 

 

やはりあなたには、

好きになる相手と

好きにならない相手がいるはずです。

 

 

その違いはなんなのでしょう。

 

 

実はそれを明確に語るのは

想像しているよりもずっと難しいことです。

 

 

こういう人は好きではない。

こういう人とはつきあいたくない。

そういったネガティブなポイントを

整理することは決して難しくありません。

 

 

あのお店にいかない理由。

あの人と旅行に行きたくない理由。

それは誰でも明確に語ることができます。

 

 

しかし反対に、

このレストランが好きな理由とか

この人と一緒にいたい理由

みたいなものは一言で語るのが

とてもむずかしいものです。

 

 

それは、断片的な条件ではなく

いろんなものが複合的に

入り混じって形作られているから。

 

 

嫌いになるのは、たった一つの

明確な理由があれば十分です。

 

 

しかし、一つの条件だけで

人を好きになることなどありません。

 

 

たとえば、どんなに犬が好きでも

犬好きだというだけでその人と

つきあったりはしないでしょう。

 

 

しかし犬をいじめたというだけで

嫌いになることは十分にありえます。

 

 

選ばない理由を語ることは簡単ですが

選ぶ理由を明確に語ることは

簡単ではありません。

 

 

では、選ぶ理由が語れないと

何か問題があるのでしょうか。

 

 

正直にいえば、

恋愛では何も問題ありません。

 

 

理由など語れなくても

好きだという事実こそが

何よりも重要だからです。

 

 

しかし、ビジネスにおいては

事情が異なります。

 

 

顧客自身が選んだ理由を

明確に語ってくれないと

とっても困ったことが起きます。

 

 

口コミや紹介が起きないのです。

 

 

口コミというのは、顧客が

「あそこはいいよ」と

語りまくってくれると思っている

人が多いのですがそんな親切な

お客さんはそうそういるものでは

ありませんし

 

 

そもそもそんなことを

語ってくれたところで

口コミにはなりえません。

 

 

口コミというのは

「自分がそこで買う理由」を

きちんと伝えてくれることです。

 

 

私はこれこれこういう理由で

あそこのサービスを使っている。

知り合いにそう言ってくれるだけでいいわけです。

 

 

そうすれば聞いた人が

自分で選ぶことができます。

 

 

そのサービスは自分には

必要がないものだ。

自分には必要なものだ。

 

 

相手が選別できるような情報を提供すること。

それが口コミの本質といえるでしょう。

 

 

「素敵なお店だよ」

「いい人だよ」

「おいしいよ」

 

 

という言い方では口コミにはなりません。

 

 

なぜならば、それはイメージを

伝えようとしているコトバだからです。

 

 

イメージは伝わらないのです。

 

 

というよりもイメージを伝えようとするなら

莫大な広告予算が必要になります。

 

 

ブランド=イメージの伝播

という図式は、莫大な広告予算があって

はじめて成り立つ大企業の理論です。

 

 

お金をかけることができない小さな組織は

ブランド=コトバの伝播

という図式で考えないといけません。

 

 

そしてそのコトバは

曖昧な宣伝文句であってはいけません。

 

 

おいしいですよ。

で、十分ではないか。

と思う人もいるでしょう。

 

 

しかし、それではコトバが伝播しません。

 

 

あくまで、イメージだからです。

 

 

先程も記載しましたが

イメージの伝播は莫大な予算と

気が遠くなる時間がかかります。

 

 

だからイメージは伝播しないと

割り切って考えるべきなのです。

 

 

小さな会社が手に入れるべき武器は

自動的に伝播していく「コトバ」なのです。

 

 

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