- 杉原 里志
指名検索のSERP Q&A:意図しない自社コンテンツの上位表示&サイトリンク最適化を徹底解説
近年、多くの企業や個人事業主がWeb上での存在感を高めるために、SEOやSNS運用などさまざまな手法を取り入れるようになりました。その中でも「指名検索」の最適化は、実は見逃せない重要ポイントです。指名検索とは、ユーザーが企業名や商品・サービス名を直接検索エンジンに入力して情報を探す行為を指します。言い換えれば、「何を求めているかが具体的に決まっている」状態での検索と言えるでしょう。
指名検索で表示される検索結果(SERP)は、ユーザーにとっての“公式情報や正しいブランドイメージ”を確認する最初の窓口にもなります。しかし、検索結果が乱雑だったり、ネガティブな口コミばかりが上位を占めていたりすると、せっかく購買意欲が高いユーザーを逃してしまうリスクもあるのです。
本記事では、指名検索の検索結果(SERP)とは何か、その重要性や具体的なお悩み、さらに検索結果を最適化するための9つの対策についてわかりやすく解説していきます。Web担当者やマーケティング担当の方だけでなく、自身のブランドやサービスを展開している方にとって、今後の戦略を考える上で欠かせないポイントがきっと見つかるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、指名検索におけるビジネスチャンスを最大限に活かすヒントをつかんでください。
目次
Toggle指名検索の検索結果(SERP)とは
「指名検索」とは、ユーザーが特定の企業名や商品名・サービス名などを、検索エンジン(GoogleやYahoo!など)に直接入力して検索する行為を指します。たとえば「〇〇株式会社」「〇〇(商品名)評判」「〇〇(サービス名)口コミ」など、キーワードを細かく指定する形です。
通常、このように名称を特定して検索するユーザーは、すでに対象となる企業や商品について一定の認知をもっている、もしくは興味・関心が高い状態にあります。そのため、指名検索が行われる段階では、購買や問い合わせといった行動に移る一歩手前である可能性が高いのです。
このとき、検索エンジンが表示する検索結果(SERP)は、ユーザーの最終的な意思決定に大きく影響します。たとえば、公式サイトの情報がすぐに見つかり、企業の信頼性や商品の魅力が明確に伝われば、購入や問い合わせに直結しやすくなります。一方で、公式サイトが見当たらなかったり、ネガティブな情報ばかりが目立ってしまったりすると、せっかく興味を抱いているユーザーを逃してしまうかもしれません。
このように、指名検索の検索結果(SERP)の最適化は「顧客の最終的な行動に直結する重要な部分」であり、Webマーケティング全体を支える基盤ともいえるのです。
指名検索の検索結果(SERP)でよくあるお悩み(4つ)
- 公式サイトが検索上位に表示されない
せっかく企業名や商品名で検索しても、口コミサイトやまとめサイトが先に表示されてしまい、公式情報が埋もれてしまうケースがあります。 - 古い情報や誤った情報が目立つ
企業の住所や営業時間、商品の仕様などが過去のまま更新されておらず、新規顧客の混乱や問い合わせの減少を招いている可能性があります。 - ネガティブな口コミや悪評が上位を占めてしまう
わずかな批判的意見でも、検索結果上部に表示されるとブランドイメージを損ない、本来得られるはずのビジネスチャンスを失うリスクがあります。 - 公式情報や関連サービスが整理されていない
公式サイトやSNS、複数のブランド・サービスを展開している場合、情報がバラバラになり、ユーザーの混乱を招いてしまうケースがあります。
検索結果(SERP)を最適化するための対策9選
1. 公式サイトのブランド名最適化(タイトル・メタタグの整備)
公式サイトが指名検索で確実に上位表示されるためには、ページタイトルやメタディスクリプションでブランド名を明確に示すことが大切です。タイトルには「【公式】企業名|サービス名」といった形で公式感を強調し、メタディスクリプションでは商品の特徴や魅力を端的に伝えましょう。これにより検索エンジンからの評価が高まり、ユーザーが望む公式ページへ誘導しやすくなります。
2. 構造化データ(Schema Markup)の活用
検索エンジンがサイト情報を的確に理解できるよう、住所や電話番号、商品の価格やレビューなどを構造化データでマークアップします。これによってリッチスニペットが表示されやすくなり、ユーザーの目を惹く形で必要情報を提供可能です。正しくマークアップされているかは、Googleのテストツールなどで確認しましょう。検索結果での視認性が上がり、CTR(クリック率)の向上も期待できます。
3. Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の充実
実店舗を構える企業にとって、Googleビジネスプロフィールの情報更新は必須です。地図やナレッジパネルでの表示内容を最新に保ち、営業時間変更や新メニューなどを随時登録しておくと、ユーザーの不安や疑問を解消できます。口コミへの返信も迅速に行い、ポジティブなやりとりを積み重ねることで、ブランドイメージの向上やローカル検索での集客力アップが期待できるでしょう。
4. SNS公式アカウントの整備・連携
Twitter(X)やInstagram、Facebookなど主要SNSの公式アカウントをブランド名でわかりやすく統一し、ロゴやカバー写真も企業カラーに合わせましょう。プロフィール欄には公式サイトや他SNSへのリンクを掲載し、ユーザーが迷わず公式情報にアクセスできる導線を作ります。SNSでの発信を活性化すれば、指名検索時にアカウントが上位表示される可能性も高まります。
5. 最新のプレスリリースやオウンドメディアの記事発信
新製品リリースやサービスアップデートなどの情報はプレスリリースサイトや自社メディアを通じて積極的に発信し、常に検索エンジンに最新情報を認識してもらいましょう。ニュース性のある情報があれば、多くのメディアに取り上げられるチャンスも生まれます。定期的に公式発表を行うことで、古い情報の上位表示を防ぎ、ブランドの鮮度を保つことができます。
6. 重複・類似コンテンツやサブドメインの整理
同じ企業が複数のサイトやサブドメインを運用している場合、どのページを優先的に表示すべきか検索エンジンが混乱する可能性があります。不要なページはnoindexやリダイレクトで整理し、役割が重複しないように注意しましょう。canonicalタグを適切に設定しておけば、指名検索時に公式サイトが最も有力な情報源として見なされ、上位表示も期待しやすくなります。
7. クチコミ・レビューへのポジティブな対応
指名検索の結果画面で口コミサイトやSNSの評価が目に入ることは多々あります。ネガティブな意見には真摯に対応し、改善策を提示する姿勢が信頼度を高めます。また、ポジティブなレビューに対しても感謝を伝えるなど、企業として誠意あるコミュニケーションを心がけましょう。こうした積み重ねが検索エンジンの評価にもつながり、ネガティブ情報の影響を緩和する効果が期待できます。
8. ブランド防衛キーワードのリスティング広告活用
「企業名+評判」「企業名+口コミ」など、ネガティブを連想させる検索キーワードでも、リスティング広告を出すことで公式サイトやオウンドメディアへ誘導できます。クリック単価が比較的安いことも多く、費用対効果の高いブランディング施策として機能します。ただし、過度の出稿はコストが膨らむ可能性もあるため、継続的に効果測定を行い、最適な予算配分を検討することが重要です。
9. ナレッジパネルの活用・維持
Google検索結果の右側に表示されるナレッジパネル(知識パネル)に正しい企業情報や公式サイト、SNSアカウントが掲載されるように管理しましょう。誤った情報があれば、公式サイトやウィキペディアなどを通じて訂正を行うことで、検索エンジンからの誤認を防ぎます。ナレッジパネルが充実していると、ユーザーが公式情報をワンステップで確認できるため、信頼性向上や離脱防止につながります。
指名検索の検索結果(SERP)でよくある質問と回答
指名検索の検索結果(SERP)を最適化する際には、公式サイトの上位表示やネガティブな口コミ対策など、多岐にわたる課題が存在します。しかし、実際に施策を進めていると「想定していなかった自社コンテンツが上位にきてしまう」「サイトリンクを思うようにコントロールできない」といった問題に直面することも珍しくありません。本記事では、そうした指名検索のSERPでよくある質問と、その対策方法について解説します。
Q1:意図していない自社コンテンツが上位表示されてしまうのですが?
A1:ドメイン全体の整理と内部リンクの見直しを行い、検索エンジンの意図を正しく誘導しましょう。
企業やブランド名で検索した際、自社の「過去のキャンペーンページ」「既にサービス終了した商品ページ」「内部向け資料ページ」など、意図しないコンテンツが上位に表示されてしまうことがあります。これは、検索エンジンが「こちらのページの内容がユーザーの検索意図に合致している」と判断しているためです。
- 内部リンクの整理
公式サイト内で古いページや不要になったページに大量の内部リンクが残っていると、検索エンジンに「重要なページ」と誤解される可能性があります。サイトマップ(XMLサイトマップ含む)や内部リンク構造を再点検し、必要に応じてリダイレクト設定やリンク削除を行いましょう。 - noindexタグ・robots.txtの活用
上位表示を望まないページに対して、noindexタグやrobots.txtを設定することで、検索エンジンのインデックス登録を抑制できます。ただし、検索エンジン側の反映には時間がかかる場合があるため、設定後も状況をモニタリングすることが大切です。 - 正しく評価してほしいページを充実化する
「公式情報ページ」や「最新のサービス紹介ページ」を充実させることも重要です。コンテンツを定期的に更新し、ユーザーにとって有益な情報を盛り込むことで、検索エンジンからも高い評価を得やすくなります。
Q2:サイトリンクを調整したいのですが、どうすればよいでしょうか?
A2:完全なコントロールは難しいものの、サイト構造と内部リンク戦略で検索エンジンに意図を伝えやすくしましょう。
Googleなどの検索エンジンで、特定のドメイン名を検索した際に表示される「サイトリンク」は、ユーザーが求める情報を迅速に見つけられるように自動生成される仕組みです。しかし、「どのページがサイトリンクとして表示されるか」は検索エンジンが独自に判断しているため、直接指定する方法は基本的に存在しません。
- サイト構造を分かりやすくする
階層を明確にし、カテゴリや重要ページへのリンクを整理して、検索エンジンがサイト全体をスムーズにクローリングできるよう配慮しましょう。パンくずリスト(Breadcrumb)を用意したり、わかりやすいナビゲーションを設置したりすることで、検索エンジンが「主たるページ」と「補足ページ」を把握しやすくなります。 - 各ページのタイトルや見出しを適切に設定する
サイトリンクは、ページのタイトルや見出しをもとに自動的に生成されるケースが多いとされています。冗長な文字列や繰り返し表現を避け、端的かつ内容を端的に伝えるタイトルを設定すると、サイトリンクの表示精度が高まることがあります。 - 不要なページにはnoindexやnofollowを設定する
サイトリンクとして表示される必要のないページや、ユーザーに推奨したくないページにnoindex、nofollowを設定する方法もあります。ただし、こちらも検索エンジン側で最終的に判断が行われるため、「必ずサイトリンクから除外される」わけではありません。
まとめ
指名検索の検索結果(SERP)における上位表示やサイトリンクの内容は、基本的に検索エンジン側で自動的に判断される仕組みです。そのため、企業が完全にコントロールすることは難しいものの、サイト構造やリンク戦略、適切なメタ情報の設定、不要ページのnoindex化などを通じて、望ましい方向へ誘導することは十分可能です。
- 古い・不要なページに意図しないリンクが集まっていないか?
- 最新の情報や正式なページを優先表示させるための施策は十分か?
- ユーザーがサイトを訪れたときに欲しい情報にすぐアクセスできる導線になっているか?
これらを定期的にチェックし、必要に応じた改善を繰り返していくことで、指名検索のSERPにおいても「ユーザーが求める情報を正しく、わかりやすく」提示できるサイト運営が可能になります。購買意欲が高いユーザーを逃さないためにも、ぜひ今回の内容を参考にしながら、貴社の指名検索対策をさらに強化してみてください。