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杉原 里志

営業フェーズ管理で組織が変わる! 商談の見極めから成約までの8ステップを徹底解説

メソッド 2023.06.12

はじめに

今回は、営業活動を8つのフェーズに分けて管理する手法についてご説明します。従来は担当営業個人がアプローチから成約まで一貫して行うことが一般的でした。しかし、フェーズ管理を導入することで営業活動を科学的に分析でき、組織全体の課題が可視化されるなど、多くのメリットがあります。
本記事では、各フェーズの具体的な内容や注意点、営業組織が抱える課題解決のヒントをまとめました。ぜひ最後までご覧ください。


フェーズ① 商談の見極め

顧客とコミュニケーションを取る中で、商談するべき案件か見極める期間になります。
すべてのお客様が商談にふさわしいとは限らず、中には情報収集のみを目的としているケースもあります。そのため、最初の段階で“本当に商談をすべきか”を見極めることが重要です。

  • よくある失敗例
    検討していない商品を一生懸命売り込んでしまい、押し売り感が出て逆効果になる。
  • 判断の基準
    一般的にBANT(Budget・Authority・Needs・Timeframe)など4つの項目を確認して、商談の可否を判断します。

信頼関係の構築

  1. 共感の獲得
  2. 能力を示す
  3. 長期的Win-Win関係の提示
  4. 自己開示
  5. 行為を示す

フェーズ② 顧客課題と目的の把握

フェーズ1を通過したら、実際にお客様と商談を行います。
よくある失敗例として、自社サービスの紹介ばかりに時間を使ってしまい、お客様の課題を正しく聞き取れていないケースがあります。

  • ヒアリング重視
    お客様の課題感を明確にすることで、後々の契約までの道のりをイメージしやすくなります。
  • 組織全体の課題か個人の課題か
    お客様が認識している課題が個人レベルなのか、組織全体で共有されているものなのかをしっかり確認しましょう。

フェーズ③ 現実策の提案と同意

フェーズ2で明確になったお客様の課題に対して、具体的な解決方法を提案するフェーズです。
ここでは「お客様自身が『このサービスなら課題が解決できるかもしれない』と思うこと」が重要なゴールとなります。

  • お客様の心理状況を確認
    「このサービスが欲しい」と思える段階まで伴走する。
  • 伴走型の営業
    解決策のイメージが見えてきたら、契約締結に向けたプロセスを順次進めていきます。

フェーズ④ キーマン・決裁者との提案内容の同意

よくあるケースとして、フェーズ1〜3でやりとりしていた担当者が実は決裁権限を持っていない場合があります。大手企業などでは特に多い状況です。

  • 提案内容の再提示
    決裁権限者に対して、改めてフェーズ3の提案内容を共有する。
  • 担当者と協力して説得
    担当者と一緒にキーマンを説得して納得を得るイメージを持ちましょう。

フェーズ⑤ 価格スケジュールの合意

決裁者から内容の承認が得られたあとは、契約締結に向けて具体的な条件を詰めていきます。

  • 契約内容、金額、開始時期の確認
    業態や業種によって異なりますが、必ず確認が必要です。
  • 事前準備の重要性
    NDA(機密保持契約)や会社登録書類など、契約書以外の必要書類を先に確認し、お客様の対応負担を減らす工夫をしましょう。

フェーズ⑥ 稟議決裁の完了

稟議を通して社内で最終承認を取る企業が多く、フェーズ5で確認した書類が再度必要になる場合もあります。

  • お見積り書の提出
    企業によっては稟議書に添付が必須となるケースもある。
  • 不足書類の早期送付
    不足している書類があれば速やかに用意し、送付する。

フェーズ⑦ 契約手続き対応中

稟議が通過したら、いよいよ本格的に契約手続きを行います。ここではフェーズ5で合意した内容を契約書や利用規約に落とし込み、お客様に送付する段階です。

  • 規約チェックの時間短縮
    事前に規約等を送っておくと、お客様側の法務チェックなどがスムーズになる。
  • スムーズな締結のポイント
    余計な時間をかけずに成約へ繋げるためにも、細かな書類漏れなどが無いように確認しましょう。

フェーズ⑧ 成約

押印された契約書を回収して、正式な成約となります。ここからが営業にとっても非常に重要です。

  • 請求書周りの対応
    経理担当と連携して、支払いをスムーズに進められるように準備します。
  • CS(カスタマーサクセス)部門との連携
    契約背景や顧客の課題感、サービス導入に至った経緯を細かく共有し、引き継ぎ後のサポートを円滑にします。

フェーズ管理のメリット

従来の営業手法とは異なり、一連の営業活動をフェーズごとに区切って管理・分析することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 課題の可視化
    営業個人だけでなく、組織全体の営業課題を発見しやすい。
  • 教育コストの削減
    未経験者が中途入社しても、フェーズに沿って営業活動を行えば短期間で自立しやすい。
  • 組織全体のスキルアップ
    分業制・フェーズ管理を導入することで、営業活動を科学的に分析し、改善スピードを高められる。

まとめ

1人で圧倒的に売るのではなく、組織全体で売れる仕組みを作ることが企業成長には欠かせません。そのための効果的な手段が、今回ご紹介した「フェーズ管理」です。
フェーズ管理により、営業活動を細かく分析できるだけでなく、個々の営業担当者の課題も明確化され、改善スピードが飛躍的に向上します。
分業制の検討や売上増加を目指している企業の方は、ぜひこの8つのフェーズ管理を取り入れてみてはいかがでしょうか。組織全体のスキルアップと売上の継続的な拡大につながるはずです。

ぜひ参考にしていただき、フェーズ管理の導入で組織の営業力を強化してみてください。

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