- Shuhei Nakaso
kintoneアプリ開発をGeminiで効率化!開発サポートとしての活用術
はじめに:kintoneアプリ開発、こんな課題で困っていませんか?
kintoneは、プログラミングの知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリを簡単に作成できる便利なプラットフォームです。しかし、実際にアプリ開発を進める中で、以下のような課題に直面することもあるのではないでしょうか?
- アイデアが形にならない…
- 「こんなアプリがあったら便利だろうな」と漠然としたイメージはあるものの、具体的な機能や仕様に落とし込めない。
- 実現したいことはたくさんあるのに、どこから手をつければ良いか分からない。
- 仕様検討に時間がかかる…
- 必要なフィールドやレコードタイプ、テーブル構成など、考えるべきことが多すぎて、なかなか仕様が決まらない。
- 後から変更や追加が発生しないように、最初からしっかりとした設計をしておきたい。
- カスタマイズの壁が高い…
- JavaScriptやCSSを使ったカスタマイズに挑戦したいけど、知識不足でなかなかうまくいかない。
- エラーが発生しても、原因が特定できず、解決策も見つからない。
- 情報収集が大変…
- kintoneの仕様変更や新機能、関連プラグインの情報などを常に把握しておく必要がある。
- 困ったときに相談できる相手がいない。
これらの課題を解決し、kintoneアプリ開発をよりスムーズに進めるための強力なサポートツールとして、Googleが開発したAI「Gemini」が注目されています。本記事では、Geminiをkintoneアプリ開発の様々な場面で活用する方法を、具体的な例を交えながらご紹介します。
Geminiとは? ~アプリ開発をサポートするAIの可能性~
Geminiは、Googleが開発した大規模言語モデルです。テキスト生成、質疑応答、翻訳、要約など、様々なタスクを高い精度でこなすことができます。(Geminiの概要や詳細な機能については、[過去記事のリンク]をご参照ください。)
kintoneアプリ開発において、Geminiは以下のようなサポートを提供できます。
- アイデア出しのブレーンストーミングパートナー:
- 実現したいアプリのイメージをGeminiに伝えることで、具体的な機能や仕様のアイデアを引き出すことができます。
- Geminiとの対話を通じて、アイデアをブラッシュアップし、より洗練されたアプリの構想を練ることができます。
- 仕様検討のアドバイザー:
- 必要なフィールドやレコードタイプ、テーブル構成など、アプリの設計に関する質問に答えてくれます。
- kintoneの仕様や制限事項を踏まえた上で、最適な提案をしてくれます。
- カスタマイズのコーディングサポーター:
- JavaScriptやCSSのコード生成をサポートします。
- エラーの原因特定や解決策の提案も可能です。
- 情報収集のアシスタント:
- kintoneの最新情報や関連プラグインの情報を収集し、提供してくれます。
- APIリファレンスの調査もサポートします。
kintoneアプリ開発におけるGemini活用術
それでは、具体的にGeminiをどのように活用できるのかを見ていきましょう。
1. アプリのアイデア出し
Geminiに「〇〇な業務を効率化するkintoneアプリのアイデアをいくつか提案して」と依頼すると、様々な視点からアイデアを提案してくれます。
(例)「営業日報を効率化するkintoneアプリのアイデアを提案して」
Geminiからの提案例:
- 日報テンプレートの自動生成: 営業担当者の所属部署や役職、その日のスケジュールなどに応じて、最適な日報テンプレートを自動生成する。
- 音声入力による日報作成: スマートフォンから音声で日報を入力できるようにする。
- 訪問先情報の自動取得: GPSと連携し、訪問先の企業情報を自動で取得・記録する。
- 商談ステータスの自動更新: 日報の内容から商談の進捗状況を自動的に判断し、kintoneの案件管理アプリと連携する。
上長への自動通知: 日報が提出されたら、上長に自動で通知
これらの提案を参考に、自社に必要な機能を絞り込んだり、さらにGeminiと対話を重ねてアイデアを具体化したりすることができます。
2. アプリの仕様検討
Geminiに「〇〇アプリに必要なフィールドをリストアップして」と質問すると、必要なフィールドを提案してくれます。
さらに、Geminiは、アプリ化したい業務のワークフローを整理する際にも役立ちます。
(例)「営業日報アプリに必要なフィールドをリストアップして」
Geminiからの提案例:
- 基本情報:
- 報告日
- 報告者(氏名、所属部署)
- 訪問日時
- 訪問先企業名
- 訪問担当者名
- 商談内容:
- 商談目的
- 商談結果(受注、継続、失注など)
- 次回アクション
- 備考
- その他:
- 交通費
- 経費精算
Geminiからの提案をベースに、自社に必要なフィールドを追加・修正したり、フィールドの種類(文字列、数値、日付など)を検討したりすることができます。
(ワークフロー整理の例)「営業部門の顧客管理プロセスを整理して、kintoneアプリで管理するためのステップを提案して」
Geminiからの提案例:
- リード獲得:
- 展示会、Webサイト、紹介など、様々なチャネルからリード情報を獲得する。
- 獲得したリード情報をkintoneの「リード管理」アプリに登録する。
- 担当者を割り当てる。
- 初回アプローチ:
- 電話やメールでリードにコンタクトを取り、ニーズや課題をヒアリングする。
- ヒアリング内容を「リード管理」アプリに記録する。
- 有望なリードは、「案件管理」アプリに情報を引き継ぐ。
- 提案・見積もり:
- 顧客のニーズに合わせて、製品やサービスの提案を行う。
- 見積書を作成し、顧客に提示する。
- 提案内容や見積もり情報を「案件管理」アプリに記録する。
- 受注・失注:
- 顧客から注文を受けたら、受注処理を行う。
- 失注した場合は、失注理由を「案件管理」アプリに記録する。
- 契約・納品:
- 契約書を締結し、製品やサービスを納品する。
- 契約情報や納品情報を「顧客管理」アプリに記録する。
- アフターフォロー:
- 定期的に顧客に連絡を取り、状況を確認する。
- 問い合わせやクレームに対応する。
- 対応履歴を「顧客管理」アプリに記録する。
Geminiは、このようなワークフローの各ステップで、どのような情報をkintoneで管理すべきか、どのようなアプリが必要か、といった具体的な提案も可能です。
これにより、業務プロセス全体を可視化し、kintoneアプリの設計にスムーズにつなげることができます。
3. JavaScript/CSSカスタマイズのサポート
Geminiに「kintoneで〇〇を実現するJavaScriptのコードを書いて」と依頼すると、サンプルコードを生成してくれます。
(例)「kintoneのレコード詳細画面で、特定のフィールドを強調表示するJavaScriptのコードを書いて」
Geminiからの提案例:
このコードを参考に、フィールドコードを修正したり、スタイルを調整したりすることで、簡単にカスタマイズを実装できます。
4. エラー発生時の解決サポート
エラーメッセージや状況をGeminiに伝えると、原因の特定や解決策の提案をしてくれます。
(例)「kintoneのJavaScriptカスタマイズでエラーが発生しました。エラーメッセージは『Uncaught TypeError: Cannot read property ‘value’ of null』です。」
Geminiからの提案例:
- 指定したフィールドコードが存在しない可能性があります。kintoneのアプリ設定画面で、フィールドコードが正しいか確認してください。
- フィールドが配置されていない場所にアクセスしようとしている可能性があります。レコードの編集画面や詳細画面など、フィールドが表示されている画面でコードが実行されているか確認してください。
- フィールドの値がnullの場合に、.valueにアクセスしようとしている可能性があります。if文などでnullチェックを追加することを検討してください。
Geminiからの提案を参考に、デバッグ作業を行うことで、エラー解決の時間を短縮できます。
5. その他活用例
- kintoneと連携できるプラグインの提案を受ける
- kintoneのAPIリファレンスで特定の情報を探す際のサポートを受ける
- kintoneに関する最新情報を収集する
Gemini活用の注意点
Geminiは非常に便利なツールですが、以下の点に注意して活用しましょう。
- Geminiはあくまでサポートツール: 最終的な判断は人間が行う必要があります。Geminiの提案を鵜呑みにせず、必ず検証しましょう。
- 生成されたコードの確認: Geminiが生成したコードは、必ず動作確認を行い、必要に応じて修正しましょう。
- 機密情報の取り扱い: Geminiに機密情報や個人情報を入力しないように注意しましょう。
まとめ:Geminiでkintoneアプリ開発を加速させよう!
Geminiを活用することで、kintoneアプリ開発における様々な課題を解決し、開発プロセスを効率化することができます。アイデア出しから仕様検討、カスタマイズ、エラー解決まで、Geminiはあなたの強力なパートナーとなるでしょう。
ぜひ、Geminiをkintoneアプリ開発に取り入れて、より快適で効率的な開発を体験してください!