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杉原 里志

あなたの会社の組織図は 間違っているかもしれない。

組織マネジメント 2023.04.23

さて、突然ですが質問です。

あなたの会社に「組織図」はありますか?

きっと、多くの会社さんにはあるはずです。
ではその上で、もう一つの質問を。

その組織図は、きちんと機能していますか?

奇妙な質問に聞こえるかもしれません。
実際の組織をそのまま図にしたものなのだから、
機能するも何もないだろうと。

でも、その考えは間違っています。



組織図というのは、実はとても戦略的なものです。

つまり、
売上拡大のためにはどんな部署が必要で、
そこで誰が、どんな立場で、どんな職務を担当し、
どこまで責任を負えばうまく回るのか。

それを設計し、可視化したもの。
言い換えれば、メンバーひとりひとりの
「役割」を示したものなのです。

AさんにはAさんの役割があり、
BさんにはBさんの役割がある。

AさんとBさんの役割は同じではなく、
だからこそ、
AさんがBさんの仕事をする必要はないし、
また、するべきではないということなのです。


◆

さて、ここであらためて、
あなたの会社の組織図を思い浮かべてみてください。

そして、そこに書かれたそれぞれの「役割」と、
実際の職場の様子を比べてみてください。

いかがでしょう。

本来の役割を全うできていない人や、
本来の役割以外のことまでやっている人が
思い浮かびませんか?

部長なのに、マネジメントより外回が好きな人。
別部署の人間とばかりおしゃべりしている人。
直属の部下ではない人に、偉そうに口出しする人。
総務なのになぜか営業サポート業務に忙しい人。

組織図に記された役割とは違う働き方をしている人が
意外と多くいることに気付くはずです。

ではなぜ、こんなことが起こるのか。

先に書いたように、組織図というのは
会社の目標やビジョン、あるいは課題に沿って
「役割」を考えながら作るものです。


つまり、作成時点では「誰が担当するのか」は
考えてはいけないのです。

役割それ自体を徹底的に記号化し、
つまりできるかぎり属人性を排除した上で
目標達成を最短で達成できるよう設計する。

誰に任せるかを考えるのはその後。
人の配置は組織図が完成した後に考えるのです。

多くの会社がこの順番を間違えています。

“人ありき”で組織図を考え、
“人ありき”で役割を与えてしまう。


だから仕事が属人化しやすく、
「営業部だけどちょっと総務の仕事もやっといて」
というようなことが起こってしまうのです。



私の経験から言うと、
役割をベースに考えられた組織図があれば、
直属の上司(部下)以外とのコミュニケーションは
必要なくなります。

たとえば、部長と課長の打ち合わせに
主任が同席する必要はありません。

また、課長と主任の打ち合わせに
部長が同席する必要もありません。

もちろん課長と主任の打ち合わせもいりません。

組織図上で役割が明確になっているので、
上下2階層のやり取りのみで仕事が回っていくのです。

逆に言えば、2階層以上離れた人とのやり取りには意味がなく、
職務や責任が曖昧になり、むしろ害にもなり得ます。

◆

ともあれ、私の意見に反発を覚える方も
多いのではないでしょうか。

それはなぜか。

ズバリ言えば、社長ほど2階層以上離れた人との
やり取りが好きな人はいないからです。

胸に手を当てて考えてみてください。

あなたは普段、自分直下ではない人に対しても
あれこれ口出しをしていませんか?

本来なら部下の役割なのに、
「やっぱり俺が教えてやらなきゃな」と
しゃしゃり出てしまっていませんか?

それがまさに、
組織図が機能していないことの証拠です。

「そんなこと言って、お前はどうなんだ?」
「どうせ口ばかりなんだろう?」

そう思われるかもしれません。

もちろん私もそこは徹底しています。
直属の部下以外とは、打ち合わせなどはもちろん、
他愛のない世間話もしません。

組織図上、私の役割は
直属の部下のマネジメントです。
それを超えて私が口出ししてしまえば
組織全体が混乱してしまいます。

こういうお話をすると、人によっては
ひどく冷たい職場、人間関係だと
感じるかもしれません。

でも、それは違います。

日本の企業はとかく

・「みんなでがんばる風土」
(仕事の範囲や権限が曖昧)

・「あの人しかできない仕事」
(仕事が属人的で汎用性が低い)

・「他部署とも仲良くしないと」
(意味のない雑談の時間)

・「帰りたいけど帰れない」
(無駄な同調圧力)

といった課題を抱えています。

ここをスッキリさせることで
様々なことが明確化され、生産性も上がります。

そしてそれを実現する一つの手段が
「正しく機能する組織図づくり」だということなのです。
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